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研究目的・意義

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ポスト「京」萌芽的課題

「基礎科学の挑戦-複合・マルチスケール問題を通した極限の探求」
Challenge of Basic Science – Exploring Extremes through Multi-Physics and Multi-Scale Simulations

課題責任者:久保百司(東北大学金属材料研究所 教授)
研究期間:平成28年8月1日~平成32年3月31日

目的・意義:
 強靭な国土や社会の構築、効率的なインフラ管理のための非破壊診断、大型構造物や実用材料の高耐久性、わが国の産業競争力強化、宇宙や地球深部などの極限環境、あるいは大型実験施設の極限条件データなどの人類のフロンティアの開拓に向けた研究は、スーパーコンピュータ「京」による成果を含め、個別の計算科学を活用した追及によって、近年、多大なる進展がみられる。しかし、昨今のわが国および人類が直面する、極端な自然現象への対処や、限界的な自然条件における制御、極限環境のフロンティアへの進出を飛躍的に進めるためには、個別の計算科学の応用だけでは十分な解決が図れないこともまた、スーパーコンピュータ「京」を含む計算科学による追究によって明らかとなってきた。複雑で階層的な自然現象が引き起す人類的な課題の解決のためには、今までの個別分野の成果の上に立ちながらも、個別の研究では解決できない課題に挑戦する分野の垣根を越えた総合的な基礎科学の醸成が必要である。
 そこで本課題では、実験・観測やスーパーコンピュータ「京」を用いた個別の計算科学の大きな成果にもかかわらず、いまだ答えの出ていない極限を探求する基礎科学の難問に対して、大規模数値計算を軸とした学際連携で挑み、ポスト「京」のみがなし得る新しい科学の共創により、基礎科学のフロンティアを開拓することを目的とする。これまでに、材料の破壊、地震、大気・海洋の変動、火山噴火、マグマ、観測困難な極限物性など、極限を探求する科学は「京」等を使った大規模計算により各分野で大きく進展してきたのに対し、本課題では、この個別理解を基に、未解決で残された異なる階層をつなぐ複合・マルチスケール問題に対して、計算精度・計算可能性の限界突破に挑戦する汎用的手法を開発すると共に、学際連携を通して解決する。これら問題の解決により、基礎科学のフロンティアの開拓と人類的課題の解決を実現する。

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